こんな先生、あんな先生

自分が学生だったら人生変わちゃうかもしれない、そんな先生が本の中にもいます。

いい意味でも悪い意味でも・・・。

坊ちゃん

夏目 漱石/著 小学館

482円

『親譲りの無鉄砲で小供のころから損ばかりして居る』 有名な一文から始まる負けん気が強く曲がったことが大嫌いな新人教師を主人公にした青春小説。登場する人物の描写が滑稽で、わんぱく坊主のいたずらあり、悪口雑言あり、暴力沙汰あり、痴情のもつれあり、義理人情ありと、他の漱石作品と比べて大衆的であり、漱石の小説の中で最も多くの人に愛読されている作品です。

チップス先生さようなら

ジェイムズ・ヒルトン/著 新潮社

440円

イギリスの伝統校ブルックフィールドで、半世紀以上にわたり教壇に立ったチップス先生。昔のスタイルを守りながらも、しゃれのきいた会話で生徒を楽しませてきました。ブルックフィールドを去ったいまざまな思い出がチップス先生の胸によみがえります。いたずら盛りの教え子たちとの刺激に満ちた毎日、聡明な妻と語り合った日々、そして第一次世界大戦下での激動の日々。そんな様々な変化の中でも芯の通ったチップス先生の教育方針は読む人を感動させます。イギリスらしいユーモアとウィットにあふれ、世代を超えて親しまれる名作。

兎の眼

灰谷 健次郎/著 KADOKAWA

660円

新卒の教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校で一言も口をきかない一年生の鉄三。心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だが、周囲とのふれ合いの中で次第に彼の豊かな可能性に気付いていきます。「正しさ」とは「優しさ」とは?多様性・インクルーシブが叫ばれる今こそ読みたい名作です。

きみはいい子

中脇 初枝/著 ポプラ社

726円

―夕方五時までは家に帰らせてもらえないこども。娘に手を上げてしまう母親。それぞれの家にそれぞれの事情がある。それでもみんなこの町で、いろんなものを抱えて生きている― どこにでもある新興住宅街を舞台に、育児放棄や虐待を“される側”だけでなく“する側”の心の問題にもスポットを当て、丁寧に描いたことで反響を呼んだ一冊です。 虐待という重いテーマを扱いながらも誰かが関わることで何か変わることがあるのではないかと読む人に希望と勇気を与えます。

喜嶋先生の静かな世界

森 博嗣/著 講談社

759円

文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕が大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いによって、その後の人生を大きく変えていくことになります。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説です。理系学生には特におすすめです!

銃口 上

三浦 綾子/著 KADOKAWA

704円

担任に憧れ、教師になった北森竜太。理想の教育に燃える彼を阻むものは、軍国主義の勢いでした。実際にあった北海道綴り方教育連盟事件を題材にして、戦争、差別、教育などをテーマに、一人の青年教師が試練を乗り越え、激動の時代を生き抜く姿を描いた著者最後の大作です。 「どうしたらよいか迷った時は、自分の損になる方を選ぶといい」そんな考えを全うする主人公の生きざまから得るところも多いと思います。

23分間の奇跡

ジェームズ・クラベル/著 集英社

792円

敵国に占領された国の学校で一番最初の授業とは? やさしい語り口でつづられる文章は授業をうける子どもたちだけでなく読む側の私たちの意識さえコントロールされたような感覚になります。 教育が子どもたち、そして国にとってどれだけ重要なのか分かる気がします。原題は”The Children's Story... (but not just for children)”まさに大人が読んで考えるための1冊だと思います。

告白

湊 かなえ/著 双葉社

681円

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まります。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく、そして衝撃的ラスト! デビュー作にして完成度の高さに誰もが夢中になった湊かなえの最高傑作です。

悪の教典 上

貴志 祐介/著 文藝春秋

858円

晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしています。。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だったのです。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき、学校は生徒はどうなってしまうのか。 凶悪な殺人者でありながら読者を魅了するハスミンこと蓮見の凶行に慄きながらもページをめくる手が止まらなくなります。

こころ

夏目 漱石/著 岩波書店

660円

夏目漱石の「こころ」といえば教科書にも掲載されている漱石の代表作のひとつですが、じつは『先生』は職業的に本当の先生ではないってご存じでしたか?  鎌倉の海で出会った『先生』の不思議な人柄に強く惹かれ、関心を持った『私』に『先生』の死後届いた遺書には『先生』が恋人を得るために親友を裏切り、自殺に追い込んだ過去がしたためられていました。 人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現されていると言われています。

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