「美しさ」と「狂気」が静かに絡み合う、湊かなえさんらしい「イヤミス」作品です。
美少年を蝶の標本のように永遠の存在として残そうとする異様な執着が描かれ、ページをめくるたびに不穏さが増していきます。
登場人物の歪んだ愛や支配欲はリアルで、生々しいのにどこか幻想的。
視点が変わる構造も巧みで、読み進めるほど印象が変わり、最後まで緊張感が途切れません。
「人間の本質」を深くえぐる読後感が残る一冊です。