自分が好きなものを他人にも共有したい気持ち。
そして、それを受け入れてもらえたらとても嬉しいものです。
けれども、その好きなものが少し変かもしれないと自覚していて誰にも打ち明けられない。
これは、そんな悩みを抱えたネコのおはなしです。
本当の自分を見せられずに隠して生きていくのは少しだけ息苦しい。
この世界には同じ悩みを抱えるものたちがたくさんではないけれども、少なからず存在していて。
そのような存在に出会ったとき、変だからと拒絶するのではなく、受け入れる勇気を持ちたい。
多くの存在に受け入れられなくとも、誰かひとりにでも受け入れてもらえたなら。
ずっと息がしやすい世界になる。
人生の途上で一度は遭遇する一場面を描いた「ひみつのたからもの」。
直接読んで見て感じられる心の痛みを大切に忘れないでいたいと思います。
淡く繊細なタッチで描かれたネコちゃんたちや背景も見ごたえたっぷりです。