翼を持ちながら空を飛べないペンギンの気持ちを考えてみましょう。
多くの同類が生まれた時から身につけていた翼を羽ばたかせ大空を自由に飛び回る―――その姿を地上から眺めることしかできないペンギンは神様が与えた理不尽に憤り、羨望と悔しさに胸を焼かれ、絶望するしかなかったのでしょうか。
どんなに頑張っても、越えられない壁がある。
そんな思いを誰もが抱いたことはあるのではないでしょうか。
これはエンジニアになるという夢の実現に向けて日々努力を重ねる小学六年生の男の子と海外からの転校生の女の子との出会いからはじまる物語です。クラスからの孤立、両親との不和、目標までの遠い道のり―――それでも理不尽に抗い、空を目指す不屈の少年の姿は勇気と希望の灯をともしてくれます。
翼を持ちながら空を飛べないペンギンたちの気持ちを考えてみましょう。
多くの同類が自分と同じように空を見上げているのならば、そう悪いことではないのでは、と思っているかもしれません。