会いたい人に、会ってはいけない。行きたい所に、行ってはいけない。
そんな状況になってもう一年なろうとしています。
そんななかでつらい思いをしている人に知ってほしい絵本があります。

主人公のケイちゃんは、ひまわりホームで離れて暮らすおばあちゃんが大好き。
いつものようにお花を持って会いに行こうとしますが、お母さんに「しばらく会いに行っちゃダメ」と言われてしまいます。
それでもおばあちゃんに会いたくて、内緒でホームまで行ってみますがやっぱり会わせてもらえません。
おばあちゃんがどうしているか心配で泣き出しそうになるケイちゃん。
自分が来たことだけでも伝えようとおばあちゃんの部屋の窓に外から声をかけることにしてみます。
ケイちゃんに気付いたおばあちゃんは窓越しににっこり微笑んで「また来週おいで」と伝えます。
翌週ホームを訪れたケイちゃんに、おばあちゃんは用意していた糸電話越しに伝えたいこととは―

このコロナ禍で私たちは、会いたい人に会えるということが決して当たり前のことではなかったと思い知らされました。
けれど会えない時間だって無駄じゃない。なぜならその分だけ、相手のことを思う気持ちや大切に思う気持ちはより強くなるから、とおばあちゃんの言葉は教えてくれます。
大好きな人に会えないのはやっぱり寂しいですが、そんな気持ちを少しだけプラスに考えられるようになります。

離れて暮らす大切な人にこの本を送られてはどうでしょうか?
会いたくて会いたくて
室井滋/作 長谷川義史/絵
小学館
1,320円(税込)