2020年の始まりにおいて、日本のプロ野球界を大きく揺るがせたものは、元・プロ野球監督、野村克也氏の訃報であろう。

 

選手としても、監督としても、球界に多大な足跡を残し、また、その「ぼやき」によってお茶の間でも愛された偉大な"野球人"の急逝は、野球界だけでなく、日本中を哀悼の嘆きで満たすことになった。

 

野村克也。

 

存命中からすでに"レジェンド"となっていたその"野球人"は、自らを"月見草"となぞらえて、テスト入団から這い上がり、"エリート"とは真逆の野球人生を切り開いていった努力の人であった。

 

その偉大なる野球人の慧眼によって見出されたのが、共著として名を連ねる「江本孟起」氏である。

 

江本孟起。

 

野村克也氏とは、選手時代から解説者時代に至るまで、長年来の「師弟」かつ「盟友」であり、野村氏の「ぼやき」と対極をなす、"舌鋒の鋭さ"で知られている。また、「外から見るプロ野球」のパイオニアとして、数々の著作を残している。

 

そんな二人が、過去から現代までの「プロ野球」を、それぞれの視点で、ぼやいたり、切り捨てたり、願いをかけたりと、「プロフェッショナル」ひいては「超一流」のなんたるかを、語りつくしたこの1冊

 

それは、故・野村克也氏が、愛弟子の江本孟起氏と共に創り上げた、プロ野球を愛する方々に向けた、かけがえのない"最後の贈り物"である。

 

『超一流プロ野球大論』
野村克也・江本孟起
徳間書店
1540円(税込)