「奇書」


 それは今風にいえば、「トンデモ本」のことであり、奇想天外にして奇妙奇天烈な内容の書籍である。(一部、そうでもないものがあったりもするが)

 ところが、そういった書物は時として、重大なパラダイムシフトや強烈なパンデミックを引き起こし、世界の歴史に多大な影響を及ぼしてきた。


 そういった選りすぐりの「奇書」を、当時の世相や人物とともに読み解き、解説および紹介をしているのがこの本である。


 実はこの書籍、もともとは「ニコニコ動画」にて、詳細な解説を交えつつ、独特の語り口で人気を博していた動画が、紙の媒体にまとめられることになったものである。

 その成立過程を見ると、この本も実は現代の「奇書」のひとつであると言ってもいいかもしれない。


 そんな「現代の奇書」に集積された、選りすぐりの「歴史的奇書」が紡ぎだす物語の数々・・・。

 まるで、ミステリー小説を読んでいたような感覚にも陥るそんな読後感を、皆さんにもぜひ味わってみていただきたく思う。






『奇書の世界史 歴史を動かす"ヤバい書物"の物語』
三崎 律日
KADOKAWA
1,760円(税込)